MBA取得の元コンサルタント ボランティアでイヌのヘアカットに励む
保健所に届けられたり愛護団体で保護されているイヌたちには「捨てられたイヌ」「傷ついたイヌ」というイメージを持ってしまいがちです。
そのため人の目には、ペットショップで売られているイヌほどキレイに映らないこともあるかもしれません。
【コンサルタントからペットスタイリストに転職】
アメリカでは、こんなイヌたちのためにある男性が活動を始めました。
彼の仕事は「ヘアカット」です。
「イヌたちがヘアカットをしたおかげで見事に変身できたのをたくさん見てきました。彼らの様変わりは見ていて元気が出ます」
ニューヨークの動物保護センター「ACC」でイヌたちに無料のシャンプーとヘアカットをしてあげているのは、マークさんという男性です。
マークさんは今までヘアスタイリングに関わってきたわけではありません。
ニューヨーク大学でMBAを取得し、超多忙なコンサルティングの仕事に携わってきた人でした。
しかしある日、彼の婚約者から助言がありました。
「彼女は私が魂を奪われてしまうような仕事を続けることを嫌がりました。私が動物と一緒にいる時にとても喜びを感じる人だということを、彼女は知っていたのです」
そして彼は「ペット・グルーミング・アカデミー」という学校に入学し、動物のヘアカットについて専門に勉強を始めました。
当然のことながら、技術向上のため練習も必要になります。
マークさんと婚約者は昔ある保護団体を通して、2匹の犬の里親になったことがありました。
そして自分たちが里親として引き取った2匹のイヌたちを最初に見た時、とても汚かったことを思い出しました。
汚かったというよりは、汚らしく「見えた」のです。
そこでアイデアが浮かびました。
動物ヘアカットの練習のために、動物保護センターでイヌのヘアカットを無料でさせてもらおう、と考えたのです。
そしてイヌたちがもっとキレイになり、気分が良くなってくれたら、という思いでこのボランティアを始めました。
【ヘアカットで気分が変わるのはイヌも同じ】
「イヌのショーンは私が最初にカットしたイヌでした。初めて見た時、ショーンは「引取り不可」というリストに載っていたのです。ショーンの気性はとても荒く、行儀も良くなかったからです」
「私はそのとき周りの人たちに説明しました。もしもあなたが髪の毛をボサボサにされて、そのまま仕事に行って来いなどと言われたら、たぶんあなたの態度も悪くなるはずですよ、ってね」
「だから私はショーンにヘアカットをしたんです。今はとてもかわいいイヌになりましたよ」
マークさんは現在、犬の散歩やしつけ、ヘアカットを行うビジネス(The Dog Guy Complete Pet Service)を立ち上げ運営しています。
しかしプロになった今でも、動物保護センターでの無料ヘアカットを続けているのです。
家に帰れば4匹の犬が待っています。
「うちのイヌたちは毎日私が帰宅するとThank Youを伝えてくれます。まるで私が彼らの昔の友達のヘアカットをしてあげていることを知っているかのようです」
マークさんのフェイスブックやインスタグラムで、マークさんの手により変身を遂げたイヌたちを見ることができます。
これらの様子を見ると、マークさんの技術力もさることながら、やはりどんな犬でも愛されるべき存在であることが分かります。
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