英語で「トータス」 or 「タートル」? リクガメとふつうのカメの違いをおさらいしよう
私たちにとって区別しにくい英語として「tortoise」と「turtle」があります。
英語の定義では、カメ全般が「turtle」と呼ばれ、そのうちリクガメを「tortoise」と呼んで区別します。
つまり川や湖にいるカメや、海を泳ぎ砂浜で産卵するウミガメなどは「tortoise」ではないことになります。
しかし意外にも、ネイティブたちもこれを混同しているようです。
【トータスを池の中へ?】
近頃スナップチャットで「トータスを保護する少女」が話題になりました。
しかしその理由は「保護」という行為ではなく、別の理由からでした。
このキンバリーさんと言う若い女性は、スナップチャット上でカメを手にしながら「みなさんもタートルに遭遇したら、保護してあげましょう」と訴えます。
「道路の上に置き去りにしてはいけません。とてもかわいいんだから」。
そしてキンバリーさんは「タートルを保護するのは私の楽しみなんです」と言い、その生き物を池の中に放してあげました。
しかし彼女が池に放したのはタートルではなくトータス(リクガメ)だったのです。
リクガメは泳ぐことができませんから、この「保護」のせいで死んでしまう可能性もあります。
このカメは「アナホリゴファーガメ」と見られ、アメリカの一部では絶滅危惧種として認定されているものでした。
この動画はとても話題になった一方、英語でいう「タートル」と「トータス」はお互いに混同されることがあらためて分かりました。
さらに、このケースのようにその間違いが生き物にとって致命的なことにつながる場合もあるのです。
【リクガメとふつうのカメの違い】
ここでこれらのカメの違いをあらためて勉強してみましょう。
<生息地>
水中で暮らすカメ(Turtle)
カメはふつう水中に生息しています。産卵のときだけ地上に上がってきますが、卵を産んでしまうとすぐに水中に戻ってしまいます。つまり、カメの赤ちゃんは生まれた時から一匹で過ごすのです。
リクガメ(Tortoise)
リクガメは泳ぐことが出来ないためいつも陸上で過ごします。母ガメは子ガメが孵化してから80日間は一緒にいてあげますが、その後はやはり一匹で過ごすことになります。
<体型>
水中で暮らすカメ(Turtle)
カメは水中で過ごす時間がほとんどですから、体つきは流線型をしており水中を効率よく泳げるようになっています。脚には水かきが付いていて、ウミガメはヒレを持っています。また、瓦礫などにつかまって水中から陸上に出るとき役立つよう、長いツメを持っています。
リクガメ(Tortoise)
リクガメはドーム型をした非常に硬い甲羅をしており、外敵から身を守ることができるようになっています。硬くて短い脚を持っており、穴を掘りやすいように長いツメが生えています。
<食生活>
水中で暮らすカメ(Turtle)
カメは雑食動物です。つまり草を食べる一方、小魚、くらげ、ミミズなども食べています。
リクガメ(Tortoise)
ほとんどのリクガメは草食です。さまざまな種類の植物、果物、草または花を食べています。中には、200種類の植物を食べることができるリクガメも存在します。
<寿命>
水中で暮らすカメ(Turtle)
ウミガメの平均寿命は60~70歳ですが、50歳を過ぎて初めて生殖が可能になるといわれています。そのほかのカメの平均寿命は20~40年です。
リクガメ(Tortoise)
リクガメは平均80歳まで生きることができます。中には150歳まで生きる種類もいることが分かっています。専門家によると、リクガメには100歳以上まで生きる能力が備わっていますが、100歳を超えると管理の行き届いた場所でしっかり栄養を摂る必要が出てくるそうです。
なお、世界最長寿のリクガメはセントヘレナ島に住むアルダブラゾウガメの「ジョナサン」で、183歳です。
(セントヘレナ島に住むジョナサン)
(Difference between turtles and tortoises(The Daily Telegraph))