檻の中に閉じ込められていたオランウータン 仲間と暮らすその後の様子

 

 

以前、「7年間檻の中に閉じ込められていたオランウータン 森林への復帰にむけてリハビリに励む」という記事で、インドネシアボルネオ島のオランウータン、エイミーの話を紹介しました。

 

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エイミーはおそらく生まれてすぐペットとして捕獲され、そのままずっと狭くて不衛生な檻の中で過ごしてきたと見られています。

 

発見されたときの推定年齢は7歳。

動物愛護団体によって保護されてからも、初めのころはまったく元気がなく落ち込んだ様子が続き、うつろな目でじっと一点を見つめているような状態が続いていました。

 

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その後のエイミーはどうしているのでしょうか?

 

【取り戻さなくてはいけない遅れた学習】 

レスキュー隊によってリハビリセンターに運ばれたエイミーは、心身ともに少しずつ回復していきました。

 

体が動かせるようになってからは、部屋の中だけでなくリハビリ施設内に設けられた屋外施設にも出れるようになりました。

 

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オランウータンは、周りにいる仲間のやっていることを見て、その真似をすることで生きる術を学習していきます。

 

私たち人間と同じです。

 

またオランウータンが生活していくべきインドネシアの森林という場所にも慣れてもらう必要があります。

 

本来であればお母さんといっしょに暮らす6~7歳ごろまでに、エサの食べ方や森林での暮らし方を学習しなくてはいけません。

 

しかしその大切な時期をずっと檻の中に閉じ込められて過ごしたエイミーは、これからその学習を始めなくてはいけないのです。

 

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【失われていなかった自然の好奇心と社交性】

その第一歩として、この施設に暮らすほかのオランウータンたちと友達になることから始めることにしました。

 

まずはエイミーの部屋を、別のオランウータンが暮らす部屋の隣に移動させてあげました。

 

するとエイミーは怖がったり威嚇したりすることなく、隣のオランウータンに対して強い好奇心を見せ、さらに手を伸ばして触ろうとまでしたそうです。

 

エイミーは本来備わっている社交性のようなものを失っていませんでした。

 

【リハビリ中の仲間たちに合流】 

それから数週間後、こんどはすでに屋外で集まっているオランウータンたちのグループに近づくことにしました。

 

最初はリハビリの担当者が一緒について行きました。

 

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すでにグループをつくっているオランウータンたちも、やはりエイミーと同じようにリハビリを受けている最中です。

 

大勢のオランウータンたちが見えるところまで来ると、エイミーはいったん立ち止まり、じっと見守るような姿勢を見せました。

 

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最初は仲間たちよりも自然の森林に強い関心を示したようですが、すぐに待ち受ける仲間のオランウータンたちに少しずつ近づいて行きました。

 

お互いに匂いをかいだり、そっと触ったりしても、エイミーは怖がる様子もなかったそうです。

 

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そしていまはそのグループといっしょに暮らすようになりました。

 

保護されたときは周りのものに何の反応も示さなかったエイミーですが、今は好奇心も旺盛になっています。

 

エサも仲間のオランウータンたちといっしょに食べています。

 

今まで見たことがないエサが出されるとエイミーは不安を感じるようで、すぐには手を付けないこともあります。

 

しかしそのときも周りのオランウータンたちが食べている様子をじっくり観察し、食べても大丈夫なものか、どうやって食べるのか、といったことを見てから( "学習" してから)食べ始めるそうです。

 

こうして集団の中で生きる術を学びながら、願わくばボルネオ島の森林に戻れる日を目指して今でもリハビリに励んでいます。

 

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しかし、エイミーは発見されたとき体内に銃弾の破片が見つかっており、また長い間狭い檻の中に閉じ込められていたため体の動きに不自由なところがあるそうです。

 

エイミーには乗り越えなければいけない障壁がまだまだあるのです。

 

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