アメリカ政府 ライオン保護のため法規制を強化へ

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アメリカ政府は、ライオンのセシル殺害によって注目を浴びたいわゆる「トロフィー・ハンティング」からライオンたちを守るよう、法整備を強化することになりました。

 

アフリカのハンティングで殺害したライオンの頭部や脚、毛皮などを「トロフィー」としてアメリカ国内に持ち込むことができなくなるように、ライオンの法律上の扱いをより厳しくする方針です。

 

ホワイトハウスが検討している絶滅危惧種保護法の強化によって、法律によるライオンの保護を取り決めるだけではなく、過去に野生動物保護法違反をした履歴のあるハンターたちが「トロフィー」を持ち込むことを禁じるものになります。

 

ライオンのセシルを殺害したことで世界に知られたミネソタ州の歯科医ウォルター・パーマー氏などは、まさにこの対象になるのです。

 

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今回の法改正で対象になるライオンは2種類に分けられています。

 

ひとつはアフリカの中西部に生息するライオンで、合計900頭のみが生存しているといわれている種類です。

 

この種類のライオンについてはトラ、ジャイアントパンダ、サイなどと同じ扱いになり、ライオンの「トロフィー」の持込が禁止されるのみならず、生きたライオンのアメリカ国内への持ち込みも、保護救済の目的以外では禁止されます。

 

もう一種類はアフリカの南東部に生息するライオンたちで、こちらもわずか17,000頭の生息が確認されているだけです。

 

この種類のライオンについては、野生動物保護の制度が確立しており、アフリカでのトロフィー・ハンティングによる収入がライオンの保護や密猟の防止に役立てられている国々からの輸入以外は認められなくなります。

 

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現在ライオンの生息数は減少しており、このままでは21世紀中に絶滅するとの懸念が出ています。

 

アフリカで行われているライオンのトロフィー・ハンティングのうち60%は、アメリカ合衆国からの渡航者によるものであることが分かっています。

 

それにもかかわらず、アメリカ政府は「トロフィー」のアメリカ国内への持ち込みを禁止していない、として動物保護活動家たちから非難を受け続けてきました。

 

Days numbered for lion killing trophy hunters as Obama backs big cats Nature News Daily Express)