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生息数が減り続けるゾウ 相変わらずひどい密猟の実態と「パークレンジャー」たちの活躍

ゾウ

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2015年の1年間で、約20,000頭のゾウが象牙目的で殺害されたといわれています(一部では約24,000頭という報告もあり)。

 

その一方、同じ1年間で生まれたゾウの頭数は20,000頭よりはるかに少ないという調査結果も出ています。

 

この計算では、当然の結果としてゾウの生息数は減少して行きます。

 

 

【相変わらず絶えない密猟】

近年のゾウの急激な減少が密猟によるものであることは、すでにいろいろなところで報告されているとおりです。

 

密猟とアフリカ諸国の貧困とは明確な相関関係があることも分かっています。

 

例えばケニアでは、象牙1キロあたり3ドルという相場で取引が行われています。

 

これはケニアの住民たちが1日に稼ぐ平均収入と比べると相当大きな金額になるそうです。

 

さらに彼らから象牙を買い取るギャングたちは、1キロあたり1,100ドルで中国に売り飛ばすことが分かっています。

 

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この10年間ほど(不安定ではありながらも)強い経済力を誇る中国のマーケットが、アフリカ諸国から象牙を大量に買い取ってくれる“ありがたいお客様”になっています。

 

またアフリカの行政府もギャングたちからワイロを受け取り、中国やその他の国への密輸を黙認しているという情報もあります。

 

摘発された密輸の件数が最も多かったのは2011年で、ゾウの頭数に換算すると2,500頭分の象牙が没収されました。

 

一部では、資産家が大量の象牙を備蓄することで自らの資産隠しをしているのではないか、という憶測も流れているほどです。

 

   

 

【食用としても売られる】

アフリカに生息するゾウたちは、象牙だけが目当てで密猟の被害にあっているのではありません。

 

組織をつくって密猟を行っている人たちがいて、ゾウの肉を食肉としてマーケットで売りさばいているのです。

 

これは象牙よりもカネになるとも言われています。

 

その一方、この食肉取引を取り締まる規則などは整備されていないのが実情です。

 

この点でも、ゾウの生息数減少を食い止めるには、アフリカ諸国の貧困を改善することが重要な鍵になると考えられます。

 

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【命がけのパークレンジャーたちの活躍】

このように、ゾウを絶滅へと近づけている原因は複数存在します。

 

しかし現地の人たち全員がこのような悪事に手を染めているわけではありません。

 

いわゆる「パークレンジャー」(park ranger)として自然保護地域の監視員をしている人たちがいます。

 

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「ranger」とはもともと森林監視員の意味ですが、今では樹木のみならず(主に絶滅の危機に瀕する)野生動物の監視も行っているのです。

 

パークレンジャーたちは、密猟者たちが武器を使ってゾウを襲うところを、自らの身を挺して密猟を止めさせようと日々活動を続けています。

 

武器を持った密猟者が相手になりますので、命を落とす人たちも少なくないと言われています。

 

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彼らの活躍だけでゾウの生息数減少を止めることはできません。

 

しかし文字通り第一線で闘っている人たちがいるということは、私たちも知っておくべきことだと思います。

 

(参考)

Elephants on the path to extinction - the facts | Environment | The Guardian

For Rangers on the Front Lines of Anti-Poaching Wars, Daily Trauma