宗教は異なっても人が動物を愛する心は同じ
福井県にある「御誕生寺」は、数十匹のネコがすみついている「猫寺」として最近話題になっています。
お寺の建立中、その建設現場に捨てられていた4匹の子猫を助けてあげたことがきっかけで徐々にネコが増えてゆき、現在では里親探しにも熱心に取り組んでおり、すでに多くのネコが新しい家族を見つけて巣立っていったといいます。
この御誕生寺ように、住処のないネコやイヌに温かい心を持っているのは日本の仏教寺だけの話ではないようです。
【キリスト教の場合】
これは南米ボリビアにあるカトリック教会で行われたミサの一場面です。
この日はガンの治療に励む子供たちが招かれ、司祭による特別なお祈りが厳かに行われていました。
しかしこの珍客の登場には、司祭さんも微笑みを抑えきれませんでした。
キリスト教の神聖なる場所ではありますが、伸びをし、寝転がり、とてもくつろいでいます。
司祭さんは儀式をいったん中断しましたが、イヌを追い出そうとはしませんでした。
「イヌもまた神様がお創りになったものです」
首輪をしていないことから、このイヌは近所の野良犬だろうと考えられます。
司祭さんはこのイヌが喜んでいるように見える、と嬉しそうに語りました。
しかしイヌだけではなく、その周りにいる子供たちもこの微笑ましい光景を目にして喜んでいた、と伝えられています。
(Stray dog wanders into church as priest prays for children with cancer)
【イスラム教の場合】
トルコの首都イスタンブールの街道には、何百匹ものネコが歩き回っています。
このネコたちには「わが家」と呼べる場所はありません。
しかしあるモスクでは、こんなネコたちに「わが家」を提供してあげています。
イムランさんは昨年、モスクに入り込んだネコをあえて追い出さず、温かく迎え入れました。
イムランさんはネコたちを「お客さん」と呼び、このように自由にくつろがせてあげています。
ある一匹などはこのモスクに子猫まで連れ込んで育て始めました。
このモスクでお祈りをする出席者たちも、ネコを嫌がることなく、むしろ一緒に楽しんでいるようです。
イムランさんは「ネコたちは(このモスクで)思いやりと慈しみの心を見出したのです」と語っています。
日本でなくても、また仏教でなくても、動物に注ぐ愛情は一緒だということがよく分かります。
(A mosque for cats? Imam opens his mosque up for the stray felines of Istanbul)