河の中で立ち往生したキリン 現地ケニアの人たちによる命がけの救助活動で救われる
アフリカのケニアに「エワソ・ニロ」と呼ばれている河があります。
これはマサイ語で「泥で茶色くなった水」を意味する名前です。
この河にはワニがたくさん生息していて大変危険なため、ふだん地元の人は寄り付くことはありません。
しかしキリンの子供がこの河の中で立ち往生しているのを発見したとき、二人の勇気ある男性は自らの危険を顧みず、救助活動にあたりました。
【群れからはぐれたか?】
この河にキリンが入り込んでしまった原因は分かっていません。
キリンはふつう群れをなして行動しますので、このキリンも仲間と一緒に河を渡ろうとしたものと考えられます。
しかし野生動物の厳しい世界では、もし群れの中に比較的弱い1頭がいる場合、ほかの仲間たちが協力して助けてあげることもありますが、生き残りのやむを得ぬ結果としてその1頭を見捨ててしまう場合も多くあります。
いずれにせよ、キリンの長い脚を持ってもさすがにこの水量の河を渡りきることはできなかったのです。
大量に水が流れる河の真ん中に立ちすくみ全く動けなくなっていたところを、地元の人たちが4時間かけて救出しました。
この写真はフェイスブックなどでもシェアされ、大きな評判を呼びました。
【キリンもまた生息数が減少】
キリンは絶滅危惧種に指定されている動物ではありません。
しかしそれでも、近年その生息数は減少しているのです。
1999年にはアフリカ全土で14万頭が生息していましたが、現在では8万頭まで減っているといわれています。
【アフリカからのニュースについて】
昨年はライオンのセシル殺害のニュースが世界で話題になり、アフリカで行われているハンティングへ批判の声が高まりました。
日本にいる私たちのもとには、アフリカで行われている密猟のニュースばかりがたくさん届いており、このブログでも何度も取り上げています。
こういった情報だけを見ていると、アフリカの人たちには野生動物を保護する意思がないような印象を持ってしまいがちです。
しかしこのキリン保護のニュースのように、自らの命を危険にさらしてまで動物たちを助けようとする人たちがいるということも、ぜひ知っておきたいと思います。
(Kenyan villagers rescue giraffe from rapid, crocodile-infested river)