インドでイタズラを続けたサルを捕獲 しかし行き過ぎた「見せしめ」には批判
インドのムンバイで、店に忍び込み商品を奪ったり壊したりし続けたサルがいました。
このたびようやく捕獲に成功し、店の主人も一安心です。
このサルは過去6か月間、店の食べ物を盗んだり、売り物の枕を切り裂いたりと、お店の人を散々困らせてきました。
悩んだ店主は専門のサル捕獲業者に依頼し、ようやくこのサルを捕まえることができたのです。
【行き過ぎた見せしめ行為】
しかしサルによる被害から解放さることになった店主が、その安心感からか、必要とは思われない行為に及んだのです。
写真のように、サルの手は体の後ろで縛られ、足首にはロープが結ばれています。
さらには、何の目的か分かりませんが、首には絞首刑を思い起こさせるロープがかけられているのです。
そしてこの状態のまま店の前の道路に出され、さらし者にされました。
道行く人たちは面白がって近寄り、笑ったり、はやし立てたりしていたといいます。
この写真では、近寄ってきた通行人に頭を叩かれたサルが、歯をむき出して威嚇しているのが分かります。
当然のことながら、この見せしめ行為はあまりにも行き過ぎではないか、という声が多く挙がっています。
【サルの見せしめに効果はあるのか?】
イタズラをしていたサルはほかにも3~4匹いたと見られています。
人であれば、(倫理的に許されるかどうかは別として、)見せしめにされた仲間を見ることで恐怖心や警戒心をあおられるため、再犯を防ぐことにつながるかもしれません。
しかしサルをこのように見せしめにしても、ほかのサルのイタズラへの対策になるとはきわめて考え難いことです。
この見せしめは、半年間にわたってサルと格闘し続けてきた店主が自分の「勝利」を誇るためにやった虚栄心の現れである、と解釈せざるを得ません。
【サルの被害がひどいことも事実】
一方、見せしめに対しては批判的でも、サルによる被害については同情的な報道も多くあるようです。
実際日本でも多くのサル被害が報告されています。
農家の方々はサルと格闘しながら農作物の栽培に励んでおり、そのおかげで私たちはスーパーで野菜を買うことができる、という事実も認識しておく必要があるでしょう。
【サルのその後】
このサルはその後、手綱などは外されて檻に押し込まれ、フルーツなどを与えられたと報じられています。
そしてムンバイ北部にある山林へ放たれた、ということです。