「ミニブタ」という呼び名で知られているブタ 本当に存在するの?

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アメリカ・フロリダ州に暮らすケイリ―さんは、酪農場でさんざん働かされた馬やロバたちが、歳をとって「使い物」にならなくなると安価で売り飛ばされ、結局は殺処分されてしまう、という話を耳にしました。

 

そこで、できる限り自分たちの手でそういった動物たちを保護して、自宅の裏に購入した土地で飼育することにしました。

 

そんな活動を始めてから1年ほどたったある日、掲示板サイトに1頭のブタの引き取り手を探しているという広告を発見しました。

 

そのブタは「バーベキュー用」として広告に出されていました。

 

広告主は酪農家で、このブタを家畜として育てていました。しかし思ったよりも肉付きが悪く、専門の酪農業にとっては売り物にならない、でも家庭用のバーベキュー肉としては最適だろうという判断でこの広告を出したのです。

 

ケイリーさんはためらうことなくこのブタを引き取りました。 そしてブタは家の裏にある飼育場で、安全に暮らし始めました。

 

それから数週間後、ケイリーさんがブタの様子を見に行くと、大変驚きました。 なんと寝そべっているブタのお腹に8頭の子ブタが並んでおっぱいを飲んでいたからです。

 

 

ケイリーさんは、1頭だけはなく合計9頭のブタの命を救うことになるとは想像してもいませんでした。今はそんなブタの家族のおかげで、とてもにぎやかな飼育場になりました。

 

こうした活動の中、ケイリーさんは「ミニブタ」たちの話も耳にするようになったのです。

 

【「ミニブタ」という動物はいない】 

ミニブタとは何でしょうか?

 

そもそも「ミニブタ」などという動物は存在しません。

 

「ミニブタ」とか「ミニチュアブタ」などと呼ばれている小さくて可愛らしいブタがペットとして売りに出されていることがあります。

 

しかし、ほとんどの場合これらは子供だから小さいのであって、成獣になっても小さい種類のブタではありません。

 

場合によってはその子ブタを産んだ親を見せてくれる業者もあるようで、大人になったらどれくらいの大きさになるのかを確認できることになっています。

 

しかし、ブタの多くは完全に成獣になり切らなくても子供を産むことができます。そのため実際に親ブタを目にすることができたとしても、その親ブタの大きさが必ずしも最終的な大きさであるとは言い切れないのです。

 

また中には悪質なブリーダーがいて、子ブタにあえてエサを与えずに成長を遅らせることで大きさを「ミニ」サイズのままにしておく、という例も報告されています。

 

こうした情報はまだあまり広まっていないのが実情です。 そのため、生まれたばかりのブタたちが「mini pigs」として売られいるのを見ると、多くの人たちがブタの可愛い「ミニチュア種」だろうと錯覚して買い求めてしまいます。

 

しかし、所詮そういうブタたちは子供であるため、どんどんと成長して大人のブタになっていきます。

 

ミニブタとして売られているブタは大人になると約45キロの大きさになると言われています。

 

飼い主は「ミニ」ではなくなったブタを見て、これは話が違う、こんなに大きい体のブタが自由に歩き回れるようなスペースはない、と言い出し始めるのです。

 

結局、そうしたブタたちは捨てられてしまい、その多くは安楽死させられるという無責任な結果となっています。

 

以下の画像は上記のケイリーさんとは別の家庭で飼育されているブタです。飼い始めたときは文字通り「ミニ」だったブタですが・・・

 

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数年後には、となりにいる犬をはるかに追い越す大きさに成長しています。

 

 

日本ではブタをペットとして飼うことは、少なくともアメリカほど流行っていないようです。

 

しかし、流行はさておき、日本でも一部では「ミニブタ」として売られていることは事実です。

 

万が一飼おうとしている人には、くれぐれもミニブタと呼ばれている動物はあくまで「今はミニに見えるブタ」にすぎないということを知ってほしいと思います。

 

そしていったん飼い始めたら、どんなことがあっても死別まで添い続けるということは、どの動物の場合でも変わらない飼い主の責任であると思います。

 

 

 

(出典) 

Pig Sold On Craigslist Surprises Rescuer With Piglets - The Dodo 

Why No One Should Buy a So-Called 'Teacup' Pig | PETA