飼い主を襲う危険にあえて立ち向かった3頭の犬たちの話

 

 

動物の行動を安直に「擬人化」するべきではない、ということは今までも多くの専門家が忠告していることです。

 

以下の3つの話も、もしかすると犬たちは単に本能で行動しただけなのかもしれません。

 

しかし、私たち人間にとって犬という動物が特別な存在であると感じさせてくれるエピソードでもあります。

 

 

【火事から赤ちゃんを守り抜いたポロ】

家が火事に見舞われたとき、エリカさんはちょうど車に乗るために玄関を出たところでした。

 

家の中には娘のヴィヴィアーナちゃんが寝ています。

 

ヴィヴィアーナちゃんはまだよちよち歩きの赤ちゃんです。

 

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エリカさんは大急ぎで家の中に飛び込みましたが、すでに炎が広がっていてヴィヴィアーナちゃんの寝ている部屋に近づくことがでず、そのまま消防隊が到着するのを待つしかありませんでした。

 

消防士たちが火に包まれた家の中に入り込み、ヴィヴィアーナちゃんの寝ている部屋に駆けつけると、ヴィヴィアーナちゃんの上を覆うように飼い犬のポロが寝そべっていました。

 

消防隊は大至急ヴィヴィアーナちゃんとポロを救出。

 

ヴィヴィアーナちゃんは体の19%を火傷する大けがをしましたが、ポロが守ってくれたおかげで致命傷は免れました。

 

一方ポロは大やけどを負っており、そのまま息を引き取りました。

 

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(ヴィヴィアーナちゃんと元気だった時のポロ)

 

ヴィヴィアーナちゃんはその後長い入院生活を送りましたが、現在は退院し少しずつ回復しているそうです。

 

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Brave dog gives his life to save the baby during a house fire) 

 

 

【飼い主と野生のクマとの間に立ちはだかったピート】

スティーヴさんは数頭の犬たちと一緒に遠足に出かけ、その日は大きな岩山を登っていました。

 

すると目の前に巨大な1頭のクマが現れました。

 

大きな岩ばかりの場所で、スティーヴさんには逃げ道がありません。

 

自分の身の安全もさることながら、いっしょにいる複数の犬たちも誘導してあげなくてはいけない ー そういう絶体絶命の状況に追い込まれました。

 

すると、いっしょにいた犬の1頭がスティーヴさんとクマの間に立ちはだかりました。

 

イングリッシュセッターのピートでした。

 

(元気だった時のピート)

 

ピートがクマに向かって唸り声をあげているあいだ、スティーヴさんはほかの犬を別の方向に逃げさせ、また彼自身も何とか大きな岩の間を逃げ切ることができました。

 

しかしピートがまだクマの目の前にいるはずです。

 

やはりスティーヴさんは、あえてピートのいる場所に戻ることにしました。

 

しかし現場にたどり着いたときにはすでにクマがピートに襲い掛かった後で、クマはすでにその他から去っていました。

 

そしてピートは無残な状態でそこに横たわっていました。

 

スティーヴさんはピートを抱きかかえようとしましたが、ピートは痛みのあまり抱き上げられることにも耐えられないようです。

 

彼は自分のコートを脱ぎ、ピートをそっと包んで、ゆっくりと下山しました。

 

奥さんのキャシーさんの待っている場所までたどり着くと、ピートを車に乗せて動物病院に直行。

 

レントゲン写真の結果、ピートはすでに重体で、呼吸器官を損傷しており、また首が損傷しているため体全体が動かなくなっていることが判明しました。

 

治る見込みはないと判断されたことから、スティーヴさんとキャシーさんは、やむを得ず安楽死を選択。

 

そしてピートは静かに息を引き取りました。

 

 

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(いっしょに散歩に出かけていた犬たち。最左がピート)

 

Loyal dog dies trying to protect his owner from a bear | Metro News

 

 

武装侵入者に立ち向かったレックス】

ワシントン州に暮らすハヴィエルさんの家に、泥棒が侵入しました。

 

泥棒は大胆にもガラスを破って侵入し、しかも銃を持っていたのです。

 

庭からいつもとは違う物音が聞こえたとき、ハヴィエルさんといっしょに暮らすシェバード犬のレックスが吠え始めました。

 

侵入者が武装しているのに気づいたハヴィエルさんは、レックスと一緒に二階に上がり、クローゼットの中に隠れようとしました。

 

そこに隠れたまま警察へ通報しようとしたそのとき、レックスはハヴィエルさんの手を離れ、武装した侵入者に立ち向かっていきました。

 

ハヴィエルさんはクローゼットの中でレックスの強い吠え声を聞き続けましたが、まもなく4発の銃声が聞こえ、そこでレックスの吠え声はぱったりと途絶えました。

 

ようやく警察が現場に到着したときには泥棒は逃げた後で、ハヴィエルさんは無事でした。

 

しかし、レックスは犯人の撃った4発のうち3発の銃弾を受けた状態でそこに倒れていたのです。

 

大至急病院に運ばれ、緊急治療が施されましたが、やはり手術が必要なことが分かりました。

 

 

ハヴィエルさんの手元のお金では手術に必要な分に足りなかったため、ネット上で治療費のための募金を呼びかけると、短期間で12,000ドルを超える資金が集まりました。

 

そして無事手術が行われ、成功しました。

 

 

今のところ、この事件の犯人は見つかっていません。

 

しかしレックスの術後の経過は順調で、すでに退院し、ハヴィエルさんのもとに戻ったということです。

 

 

Dog shot 3 times protecting 16-year-old owner after burglars break into Des Moines home | Q13 FOX News