犠牲になる動物たち イギリスで相次いだ動物園/サファリパークの火災
2017年12月23日、イギリスのロンドン動物園で大規模な火災がありました。
この火事で8人が負傷し、5頭の動物たちが犠牲になりました。
命を落としたのは1頭のツチブタと4頭のミーアキャットです。
出火は朝の6時ごろだと見られています。
ロンドン動物園内には「アニマル・アドベンチャー」と呼ばれる子供向けの動物ふれあい施設があり、そこからの出火が原因でした。
この施設内にはヤギ、ヒツジ、ロバ、ラマ、ツチブタ、ミーアキャット、ブタなどが暮らしていました。
火事の知らせを受けた動物園の従業員たちは至急動物たちのいる場所に駆けつけ、救助に当たりました。
そのかいもあってほとんどの動物たちが無事だったことが分かっています。
火は子供向け施設の近くにある売店やカフェにも燃え広がり、従業員の中には煙を吸ってしまって病院に運ばれた人もいました。
Fire crews from @LondonFire are at @zsllondonzoo tackling a large fire in the camel enclosure. pic.twitter.com/rsU0D0OqaD
— Paul Wood (@PaulWood1961) 2017年12月23日
火事直後の動物園側の発表では、ツチブタ1頭について「現在のところ確認できない」ということでした。
しかしその後、9歳のツチブタ「ミーシャ」の死亡が発表されました。
RIP Misha, the aardvark who died in the London zoo fire. https://t.co/oQKMFhRQIK pic.twitter.com/XcSRgO5OWy
— Felicity Morse (@FelicityMorse) 2017年12月23日
ミーシャにはいつも一緒にいるキーヨという友達がいました。
Misha the aardvark has died in the fire at London zoo. This is horrible. A picture of her with her best friend Kiyo in happier times. RIP Misha pic.twitter.com/amPIjhS6pR
— Felicity Morse (@FelicityMorse) 2017年12月23日
今後の新しい友達が見つかるまで、キーヨへの影響も心配です。
Misha and Kiyo, had had a long standing relationship since first meeting at London zoo and were inseparable. Poor Misha, and thinking of Kiyo :( https://t.co/MRZJSOnPvo pic.twitter.com/vOwmWtgsSN
— Felicity Morse (@FelicityMorse) 2017年12月23日
またミーアキャット4頭についても、その後「死亡したとみられる」という発表がありました。
6時ごろに発生した火は9時過ぎには鎮火したと報道されています。
【もっとも歴史の長い動物園】
ロンドン動物園は、ロンドン市内にあるリージェンツ・パークという広大な公園の敷地内にある動物園で、1828年から一般公開されている最も歴史の長い動物園です。
クリスマスの12月25日以外は年中無休で開園している動物園ですが、火災の起きた12月23日は当然のことながら休園となりました(翌24日には開園したそうです)。
毎年年明けには約1週間かけて全園内の頭数確認を行うことになっています。
2017年に行われた頭数確認では750種以上、20,166頭を数える動物たちが園内で暮らしていることが判明しました。
しかしこの "頭数" には園内の木や草むらに生息する昆虫も含まれているそうですので、「20,166頭」というよりは「20,166匹」と言うべきかもしれません。
大きな動物は簡単に数えられますが、併設されている水族館では水槽ごとに写真を撮り、その画像を使って水中動物の頭数を数えています。
また「ペンギン・ビーチ」と呼ばれているペンギン専用のプールでは、エサを与えるときにペンギンたちが一列に並ぶため、その時を待って羽数を数えることになっています。
こういった頭数の確認は動物園の開園許可を保持するために毎年行うことが求められており、確認された頭数は「Species360」というオンラインデータベースに登録され、全世界で共有されることになります。
2018年についても年明け1月初旬に頭数確認が行われる予定でしたが、12月23日の火災の影響を受け2月まで延期されることになりました。
【年明け早々に別の火災が発生】
ロンドン動物園のニュースがいったんは落ち着いた1月2日、今度は同じイギリスのベッドフォードシャーというところにあるサファリパークで火災が発生しました。
この火災でも犠牲になった動物がいました。
パタスザル13頭の飼育されていた建物の屋根が火災のせいで抜け落ち、その屋内で暮らしていたサルたちが死亡したということです。
(パタスザル)
パタスザルは地上に暮らすサルで、アフリカ中部の草原やサバンナなどに生息しています。
このサファリパーク内では通常約64,000平方メートルの敷地内で暮らしていますが、冬の夜だけは屋内で過ごさせていました。
火災の発生時刻は午前2:30ごろと見られており、まさにサルたちが屋内にいる時間だったのです。
イギリスのみならず、動物園やサファリパークについては賛否両論があります。
今回発生したどちらの火災についても、人の犠牲者が出なかったことは不幸中の幸いでした。
しかし、来園者を楽しませてくれるために檻の中で暮らしている動物たちが、こういう命の落とし方をするのは何ともやりきれない思いが残ります。
(出典)
Thirteen monkeys killed in devastating fire at Woburn Safari Park
Fire breaks out at Woburn Safari Park killing 13 monkeys | Metro News