ハリケーン「ハービー」の甚大な被害にもかかわらず動物たちを見捨てない米国の人たち
米テキサス州やルイジアナ州などを襲ったハリケーン「ハービー」の被害は、人だけでなく動物たちにも及んでいます。
災害時はどうしても人命優先になり、それはやむを得ないことです。
しかし、ふだん人間たちと一緒に暮らしているペットの動物たちは、やはり人の手助けがないと避難できません。
こちら動画では、自分たちの身を危険にさらしてこの犬の救助に挑んでいる様子がわかります。
自分でタグボートを所有していた男性は、このリクガメを救助することに成功しました。
リクガメは泳ぐことができませんし、たとえ泳げる種類のカメであったとしてもこの洪水の中では安全でいられるはずがありません。
テキサスロングホーンも人の手によって安全な場所に移動させる必要があります。
別な場所で救出されたこちらのシカは毛布にくるまれ、消防署のオフィス内で休んでいます。
カヤックに積まれているガラスのケースにはヘビやヒョウモントカゲモドキなど爬虫類のペットたちが入っています。
このイヌはおそらく家の中に取り残されてしまったのでしょう。
救助に来てくれたボートに飛び乗っています。
動物保護団体「The Humane Society」が訴えたボランティアの呼びかけに応じてすでに動物救助隊が現地に駆けつけており、この後も複数の団体が洪水の被害に苦しんでいる動物たちの救助に向けて現地に向かっているそうです。
救助されたイヌやネコ(の少なくとも一部)はすでにニュージャージーやオレゴンへ輸送され、現地の動物シェルターで身の安全を確保しています。
アメリカ各地からはすでにボランティアが多く訪れ、被災者だけでなく被災した動物たちの世話もしています。
ハービーの規模が拡大し被害が予想された段階で、動物たちを避難させ始めた動物保護施設もありました。
【「動物たちの安全な避難」が法律で定められているアメリカ】
その一方で、下の画像ような状況に追い込まれてしまっている動物たちもいます。
これらのイヌやネコたちが救助されたかどうかは定かではありません。
アメリカでは2005年8月にハリケーン「カトリーナ」がミシシッピ州やルイジアナ州などを襲いました。
このとき多くの死者・行方不明者が出た一方、ペットや家畜などの動物たちの避難・保護に対する用意が不十分であったという指摘がありました。
この反省をもとに翌2006年、「The Pets Evacuation and Transportation Standards Act」(ペットの避難と輸送に関する基準法)が議会を通過し、同年中にブッシュ大統領(当時)が署名して発効しました。
この法律は、大災害が起きたときの対応を管理・監督する「連邦緊急事態管理庁」に対し、ペットの動物たちの取り扱いも緊急避難のプランに含めるよう要請するものです。
日本も台風や地震など、災害に見舞われやすい国です。
まずは自分の身の安全、そしてまわりの人への手助けが第一ですが、ペットの飼い主たちはペットの安全を確保することも大切な「災害対策」のひとつであることを意識したいものです。
【飼い主でなくてもできること】
災害が起こったあと、人のために用意された避難場所にペットが一緒にいられないことも多くあります。
その場合は、どうしてもペットだけが別の場所で暮らさなくてはいけなくなります。
今回のハービーによる災害の場合も、多くの動物たちが避難場所を求めているようです。
そういう動物たちについて、被害のなかった地域に呼びかけを行い、一時的に動物を預かることができる人たちの協力を求める活動も始まっています。
またお金だけでなく、イヌやネコのトイレ、大型のケージなどの寄付も行われています。
このような種類の協力も、災害時には大きな手助けになることを覚えておきたいと思います。
(出典)
Dogs, snakes and deer rescued from Hurricane Harvey flood | Daily Mail Online
Some People Left Their Dogs Tied Up To Die In The Flood And It Will Break Your Heart | Bored Panda
Want to help pets displaced by Harvey? Here's what to do | abc7.com