プラスチックの輪に苦しむアヒルを救出 ゴミを捨てるときにやっておきたい「もう一歩」

 

 

南アフリカ共和国マグワイアさんは、大きな池があるとても広い敷地に住んでおり、そこにはアヒルの群れが遊びに来ることもあります。

 

いつもそんな光景を楽しんで見ているマグワイアさんですが、ある日、奇妙なアヒルが一匹含まれているのを発見しました。

 

「カメラを取り出し、望遠ズームでそのアヒルに近づいてみたのです」とマグワイアさん。

 

目に入ったのは、こんな様子のアヒルでした。

 

 

「そのアヒルは、プラスチックの輪が首とくちばしに引っかかって取れなくなり、もがいていたんです」。

 

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マグワイアさんは旦那さんと一緒に、そのアヒルを捕まえるためにカゴを使ったワナを仕掛けました。

 

しかし、相手は鳥です。

そのアヒルを含めた群れ全体が飛び立ってしまうなど、なかなか捕獲作戦が上手くいきません。

 

プラスチックの輪がどれくらいの期間そのアヒルを苦しめていたか、分かっていません。

 

しかしふつうに食べたり飲んだり、くちばしで羽根を整えたりするなど、鳥にとっての自然の動きがまったくできないのは明らかでした。

 

このままでは生き続けることはできません。

 

発見から二日後、群れは今まで通りマグワイアさんの池にやってきましたが、プラスチックの輪は依然としてそのままの状態でした。

 

マグワイアさんはこのアヒルにどんどん危機的な時間が迫っていることを感じ、何とかしなくてはという焦りを感じました。

 

そして難しい方法ではありますが、カゴではなくネットでアヒルを捕まえる方法に出ようという決心します。

 

・・・しかし、そう決めて準備をしているとき、なんとそのアヒルが仕掛けてあったカゴのワナに引っかかってくれたのです。

 

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「あれは奇跡だったと思います」とマグワイアさん。

 

「プラスチックの輪が引っかかって食べることができないのですから、あのアヒルがエサを仕掛けてあるケージに近づくはずがないと思っていたのです」。

 

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マグワイアさんは輪を切り取ってあげました。

 

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飲まず食わずのせいで体はだいぶ弱っていましたが、輪の傷はそれほどひどくはありません。

 

それを確認できたマグワイアさんは、このアヒルを外に出してあげました。

 

「最初にやっていたのは水浴びでした。また元気に表に出られてすごく嬉しそうでしたよ」。

 

その後数日のあいだ、アヒルの群れはマグワイアさんの池にやって来てはまた飛んでいくという移動を繰り返していて、例のアヒルもその中で仲間と一緒に行動しているのをマグワイアさんは目撃しています。

 

「食べて飲んでを繰り返して、少しずつ元気になっていきました」。

 

 

このアヒルの救出劇は、実はきわめて運のいい例にすぎません。

 

鳥だけでなく、その他の野生動物が、不適切な捨てられ方をしたゴミのせいでケガをしたり、命を落としてしまっています。

 

プラスチックのゴミは輪の状態にならないよう切ってから捨てる、という簡単なことだけで、動物たちを苦しませる可能性をなくすことができます。

 

何とか救出された動物たちも、すべてが元通りの生活に戻れるわけではありません。

 

巻き込まれたゴミの影響を死ぬまで背負い続けなければいけない例も少なくないのです。

 

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たとえ分別収集のルールに従っていても、とくに外のごみ箱に捨てる場合はもう一歩踏み込んだケアをしたいものです。

 

マグワイアさんはこのアヒルの話を公表することで、人が何気なく捨てたものが動物たちにとっては命取りの危険物になることを分かってほしい、と述べています。

 

「たとえ1匹だけでも苦しみから守ることができれば、そうする価値はあるのです」とマグワイアさんは語っています。

 

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