泥沼にはまり動けなくなったゾウ 懸命の救助で一命を取りとめる
ケニア北部に位置する「レワ野生動物保護区」は250平方キロメートルにわたる広さをほこり、多くの野生動物の生息場所として知られています。
ここで暮らしている一頭のゾウが、保護区内にある泥沼にはまりこみ動けなくなってしまいました。
この泥沼はわき水の出る場所で、ゾウは一晩中この泥沼にはまり込んでいたと見られています。
発見された時には、体中についた泥が固まってこびり付いてしまっていました。
写真を見ると、泥がその牙まで覆ってしまっているのがわかります。
また脱水症状を起こしていたため、救助チームによって100リットルの水を与えられ、何とか回復することが出来ました。
その後3台の車と地元の住民たちの協力を得ながら、4時間にわたる救助活動の末、このゾウを引き上げることに成功しました。
「ゾウは私たちが助けようとしていることをすぐに理解してくれたようでした」と救助チームの一人は語っています。
この救助の様子をとらえた動画はフェイスブックやインスタグラムに投稿されました。
ゾウが鼻を使って人の手から水を汲みとっている様子が見られます。
幸いなことにこのゾウはケガは負っていなかったようで、泥沼から救い出されるとすぐに現場から歩いて離れて行きました。
このゾウはその後も現地の人に目撃されていますが、元気に暮らしているのが確認されているということです。
参照:
Watch: Elephant drinks while being rescued from well
Jules Binks (@binksy_j) • Instagram photos and videos
【アフリカゾウの現状】
20世紀の初めごろには、アフリカゾウは300万~500万頭生息していたと言われています。
それが現在は47万頭にまで減少しています。
1世紀前の生息数が少なく見積もって300万頭であったとしても、この100年間で85%減少という異常なスピードで減っていることになります。
昨年は、ケニアの一部で頭数の回復がみられたという報道がありました。
しかし(アジアゾウも含めて)依然として絶滅の危機に瀕していることには違いありません。
今回の救助活動のように、一頭でも多くの命が守られることはとても望ましいことです。