パグやブルドッグ その特徴ある鼻のせいで抱える健康問題を知っておきたい

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イギリスでは近年、パグやブルドッグなどの人気が高まり、飼い犬の数としては過去5年間で554%という驚異的な伸びを見せています。

 

有名人たちがフレンチ・ブルドッグと一緒に写っている写真がツイッターやインスタグラムで広がり、この犬の人気が高まったと見られています。

 

しかし、動物愛護団体は単に見た目だけで飼う犬を決めないよう忠告しています。

 

これらの犬が持つ特徴的な短い鼻のせいで、浅い呼吸が慢性的に続くため、体力が弱まり、呼吸器系の問題が一生続いてしまう、というリスクがあるのです。

 

ブリーダーたちは、パグやブルドッグは売れる犬であることから、鼻がもっと短い新種が産まれるよう異種交配を続けています。

 

そしてそれらの犬が抱える健康問題などお構いなしに、どんどん売り裁いてゆくのです。

 

こういったブリーダーから犬を手に入れた飼い主たちは、その犬の持つ健康問題についても十分に意識することが求められます。

 

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【「BOAS」という呼吸にかかわる病気】

イギリスの王立獣医大学の研究者たちは、犬の鼻が短くなればなるほど「BOAS」(短頭閉塞性気道症候群)という症状で苦しむリスクが高まる、と述べています。

 

BOASは、犬の鼻の骨が短くなる一方、鼻の内部を覆う柔らかい内壁が減らずに残ってしまうことで発症する病気です。

 

柔らかい内壁が短くなった鼻の中に残り、それが犬の鼻を塞いでしまい、息がしづらくなってしまうのです。

 

鼻がこのような状態になってしまうと、犬は運動や食事がしにくくなり、さらには熱中症を引き起こし気絶してしまうこともあります。

 

ひどい場合は、早死の恐れも指摘されているのです。

 

鼻の長さが、頭蓋骨のドーム状になっている部分の半分以下の長さである犬は、90%以上がこのようなリスクを負っていると見られています。

 

また肥満や太い首も「BOAS」のリスクを高めることが分かりました。

 

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【飼い主が意識を高くしてゆこう】

今回の研究結果が発表されたことを受け、犬の愛護団体「Dogs Trust」は、できれば鼻の長く首のスリムな親から産まれた子犬を飼うことを勧め、また飼い始めてからも犬が健康的な体重を維持するよう、飼い主たちに注意を促しています。

 

「パグやフレンチ・ブルドッグ、イングリッシュ・ブルドッグの人気が高まる一方、こういった種類の犬が抱えてしまう可能性のある健康問題についての関心は低いままです」

 

「ブウブウいったり、鼻をクンクン鳴らしたり、ぜいぜい息をしたりするのは、こういった種類の犬の持つ可愛らしい特徴だと思い込んでいる人たちがたくさんいます。しかし実際には、これらの犬が健康状態を悪化させている警告なのです」

 

「私たち「Dogs Trust」では飼い主の皆さんに対し、自分の犬がBOASの症状を見せているか十分に気をつけ、もし気になることがあれば獣医さんに診てもらうよう、注意を促しています。この症状は完治することはありませんが、改善させてあげることで、BOASを患った犬に少しでもよい生活を送らせてあげることができるのです」

 

「今回の研究は、イギリスのブリーダーたちに鼻の短い犬が抱えてしまう健康上のリスクに気づいてもらうことが目的で行われました。しかし同時に、これらの犬をブリーダーから購入する飼い主にもBOASについて意識してもらう必要があります」

 

過去数年の間、BOASのリスクの高い犬がたくさん育てられ、非合法で東ヨーロッパからイギリスに輸入されてきており、その数は急激に増えています。

 

「ブリーダーたちは子犬をイギリス国内に密輸しておきながら、正しい育て方についてはほとんど関心がないのです。ですからパグやブルドッグを欲しがる飼い主の皆さんが、こういった犬の持っている見た目の可愛らしさにとらわれず、BOASの症状にも耳を傾けて欲しいのです」

 

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【うちの犬は大丈夫?】

飼っている犬に以下のような症状が見当たった場合は、BOASに苦しんでいる可能性があります。獣医の先生と相談しましょう。

 

• 浅い呼吸が頻繁に、または長く続く

• 浅い呼吸のせいで、歩く、走る、遊ぶなど体を動かすことが大変そうである

• 起きているときでも鼾(いびき)のような音を立てる

• 苦しそうな、大げさな呼吸をする

• 外から見て鼻の穴が狭く、切り込んだような形をしている

 

もし以上のようなBOASと思われる症状がある場合には、犬の体重が健康的な水準に保たれるよう十分注意してください。

肥満はBOASを悪化させる可能性があります。

 

 

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