コアラ 高速道路で自動車にはねられるも車体にはまり込み一命を取りとめる
オーストラリアのあるコアラが、高速道路で走る車にひかれましたが、自動車のフロントグリルにうまく乗っかり一命を取り留める、という出来事がありました。
【事故… しかし発見できず】
オーストラリアに住むローレンさんは、アデレードにある高速道路を時速100キロで走行していました。
そのときこのコアラが道路を横断中で、よけることができなかったのです。
ローレンさんは暗い高速道路を走っており、車のヘッドライトが照らし出すまでコアラがいるのに気づきませんでした。
隣のレーンにも車が走っており、自分の後ろにも後続車がいたため、車線変更や急ブレーキは出来ませんでした。
その場では、コアラをひいてしまう以外何も出来ることはなかったのです。
ローレンさんは近くで車を止め、車体をざっと見回しましたが、その時はコアラを見つけることはできませんでした。
そのまま自宅へ向けて約10kmの道のりを走り続けましたが、「コアラをひき殺してしまった」と思い込み、罪悪感で気が動転したままだった、と語っています。
【「とてもラッキー」だったコアラ】
自宅のガレージに車を止め、明かりをつけて車へのダメージをチェックし始めました。
するとフロントグリルにコアラが挟まっているのを見つけ、思わず叫び声をあげたといいます。
コアラはまだ意識があり、ローレンさんが近づくとうなり声を上げていました。
ローレンさんは毛布をコアラの腕の下に入れてあげて、クルマのフロントグリルから体を押し出せるようにしてあげました。
その後、動物保護団体のボランティアがローレンさんを訪れ、治療のためコアラを連れて帰りました。
経過は良好で、このコアラはまもなく自然に帰される予定です。
動物保護団体は、「とてもラッキーなコアラだ」と語っています。
このコアラの体の大きさが、たまたまクルマのフロントグリルに収まる大きさだったため一命を取り留めたに過ぎない、と指摘しています。
【他にもある 交通事故生き延びたコアラ】
オーストラリアの道路で交通事故から生き延びたのは、このコアラだけではありません。
数週間前には、同じくアデレードのほかの場所で別のコアラがクルマにはねられましたが、無事だったということです。
2011年には、クイーンズランドでも同じような事故に巻き込まれながら命を取り留めたコアラ「ケニー」がいました。
2014年には「ティンバーウルフ」という名のコアラが、車体の底にくっついたまま88kmを走行し続けた後も無事だった、という事故もありました。
【コアラが交通事故に強いわけではありません】
しかしこのようなラッキーなコアラばかりではありません。
ある推計によると、交通事故に巻き込まれたコアラの85%は負傷によって死亡してしまう、と言われています。