英エジンバラ動物園のパンダ 流産の可能性
イギリスのエジンバラ動物園で飼育されているメスのパンダ「ティアン・ティアン」は妊娠が確認され、出産が期待されていました。
しかし先日、ティアン・ティアンのお腹の中にいた胎児は、子宮の中に吸い込まれてしまったようだ、と動物園が発表しました。
【膨らんだ期待】
エジンバラ動物園では、これまでジャイアントパンダ繁殖のための取り組みを続けてきており、今回のティアン・ティアンの妊娠によって今までの努力が報われるかもしれない、と明るい希望を膨らませていました。
動物園のスタッフたちは、連日ティアン・ティアンのホルモン・レベルを調べ、また妊娠時にとる行動などを観察しながら、出産成功の可能性が大きいと確信していました。
先週の火曜日、ティアン・ティアンは出産時の典型的な行動を見せ始め、動物園もホルモンテストを繰り返して確認をしていました。
しかしその2日後の木曜日、妊娠の証拠が見えなくなってしまったのです。
妊娠の最後の段階にきて、ティアン・ティアンの胎児はどうやら子宮の中に吸い込まれてしまったようだ、と動物園は述べています。
ティアン・ティアンは2013年にも人工授精で妊娠しましたが、やはり妊娠後期の段階で胎児が子宮に吸い込まれてしまったことがありました。
【落胆する動物園】
動物園側は、今後この経過を詳しく調査したいと述べています。
「いままで少しずつ進んできましたたが、今年もまた新たな挑戦が目の前に現れたわけです。この後、成功までどれほどかかるか分かりません」
ティアン・ティアンは2011年12月に中国政府からオスのパートナーとともに預かったジャイアントパンダです。
この2匹のパンダは多くの入場者を集め、かつて経営危機に陥っていたエジンバラ動物園を復活させてくれました。
もしこの冬に赤ちゃんパンダをお披露目できれば、入場者数はさらに上昇することが期待されていました。
ティアン・ティアンはエジンバラ動物園に来る前に、すでに双子の赤ちゃんを出産した経験があるため、エジンバラ動物園でも繁殖に貢献してくれることを期待されていたのです。
主任飼育係任は「とても落胆しているが、今はティアン・ティアンの健康を第一に考え、先に進むことが大事だと思っています」とコメントしています。
2015年に入ってからワシントンやマレーシアから、パンダ出産成功のニュースが届いていました。
またテネシー州や香港でも、すでに妊娠して出産を待っているパンダがいることが分かっています。