私はかつて、猫が外を歩き回りネズミや鳥を捕まえるのは、この動物の特権であるように思っていました。
しかし、以前飼っていた2匹の猫がクルマに引かれて死んでしまった事件があって以来、私の考えが変わりました。
動物学者のジョン・ブラッドショー氏によれば、猫にとって屋外に出るのはとてもストレスのある経験になるのだそうです。
猫にとって、他の猫と縄張りを共有するのはとても怖いことになるからです。
「家猫として飼うということは、決して猫を閉じ込めるということではないのです。猫をストレスから守ってあげるためのひとつの方法と考えられます」
「全ての猫を屋内飼いにするべきだ、というわけではありません。しかし、もし近くにすでに縄張りを持っている猫がいるために、あなたのペットが自分の縄張りを守れなかったらどうでしょうか?その場合は、屋内で飼うというのが唯一の解決法になるでしょう」
ヨーロッパ、特に都市部では、ほとんどの人がアパートなど集合住宅に住んでいるため、猫も屋内で飼うというのが過去50年ほどの習慣でした。
猫にとっても、屋内で生まれ、そのまま屋内で生涯を過ごすため、特に問題は起こりません。
屋内であれば安全に暮らすことができ、他の猫とケンカになるような危険がないからです。
「確かに路上で成長してきた猫は、屋内に閉じ込められるのを嫌がります。飼い主のいない猫に育てられ、ネズミなどを捕まえて食べることを教わってきた猫は、生き物を狩猟する生活を続けたがるでしょう。おそらく、チャンスがあれば獲物を捕まえようとする行動が死ぬまで続くはずです。このような猫を屋内に閉じ込めてしまうと、逆にストレスがたまってしまうでしょう」
つまり、屋内で育った猫であれば、「獲物を捕まえる」という欲求は起きないため、そのためにストレスがたまると言うことはないのです。
出典:
www.independent.co.uk