DNAをたどって分かる 飼い猫の祖先
猫は世界中の家庭で飼われていますが、彼らの祖先は中東の「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる地帯が起源ではないか、と言われています。
(http://news.sciencemag.org/biology/2014/11/genes-turned-wildcats-kitty-cats)
猫は初期の農耕集団によって飼いならされた可能性があるといわれています。
最近の研究結果によると、現在の猫は今から10万年前に、野生の猫からは離れて済むようになったということが分かりました。
これは従来の説よりもかなり前になります。
少なくとも「肥沃な三日月地帯」にいた5匹のメス猫が、現在の飼い猫の産みの親である、という研究結果が出ているようです。
飼い猫が存在したという考古学上の最も古い証拠は、9,500年前にさかのぼります。キプロスの居住地で、猫が人ともに生活していたと考えられています。
(http://www.nytimes.com/2007/06/29/science/29cat.html?_r=0)
しかしながら、飼い猫の血統はもっと古くから続いていることが分かってきました。飼い猫の祖先は、今から13万年前には野生の猫から引き離され、人と一緒に住み始めたと考えられているのです。
ミトコンドリアは細胞の「発電所」といわれており、エネルギーを供給し固有の遺伝物質を持っています。このミトコンドリアの中のDNAに科学者たちは注目しました。
遺伝子の順序を比較することで、科学者たちは異なる猫たちの血統の関係を見極めることが出来ました。
猫ははっきりした単系統(ひとつの祖先とそれに続く全ての子孫)に属することが分かっています。
その系統を調査した結果、偶発的に起こった異種混合を除き、ヨーロッパの野生猫たちは、飼い猫の血統とは別の血統であることが分かったのです。
(http://mashatu.com/the-predators-of-mashatu/)
中央アジアの野生猫も、南アフリカの野生猫も、中国の砂漠に住む猫も、みんな別の血統でした。
しかし飼い猫は、中東の野生猫と血統が同じだったのです。これは私たちの周りにいる猫が、この地域の野生猫から派生していることを示しています。
げっ歯類を捕まえてくれる動物
専門家たちによると、猫はもともと人の友達を求めていて、初期の農業地域にはびこっていたげっ歯類(ネズミやリスなど)に引き込まれて集まったと考えられています。
現在のイラク、シリア、レバノン、そしてイスラエルなどにあたる「肥沃な三日月地帯」の初期の農家たちは、猫が穀物の在庫を守ってくれるためにとても役立つと考えました。それが今日まで続いているのです。
ネコ科の動物は攻撃性のある動物として知られています。命を奪うほど獰猛で、人を含めすべての動物にとって恐怖の存在です。
しかし猫はそのような存在にはなりませんでした。どちらかと言うとフレンドリーで、ネズミを捕まえることに長けた動物なのです。
出典:BBC NEWS | Science/Nature | DNA traces origin of domestic cat