オーストラリア森林火災で犠牲になる動物たち 救出されても症状がひどく安楽死へ

2019年から続いているオーストラリア南東部の森林火災ですが、すでに想像を絶する数の動物たちが命を落とし、今後も件数は増えると見られています。 森林の中に暮らしていた野生動物だけでなく、近くの酪農家の育てていた家畜もこの火災の犠牲になっており、…

ブラジルのジャガー 海まで行き魚を捕っていることが判明

ブラジルに「マラカ島」という島があり、そこには生態系の保護区として指定されている大規模な場所があります。 ここに暮らしている野生のジャガーが、きわめて珍しいエサの取り方をしていることが発見されました。 海まで出かけてゆき、魚を捕っているので…

「EU離脱」はイギリスの動物福祉にどんな影響を与えるのか?

2019年12月12日に行われたイギリス総選挙で保守党が議席の過半数を獲得したことで、2020年1月末をもってEU離脱が行われる可能性が高くなりました。 動物福祉の観点から見たとき、果たしてEU離脱はどんなインパクトがあるのでしょうか。 EU加盟国であるおかげ…

ホッキョクグマの体にスプレーでいたずら書き 獲物を狙うときのカムフラージュが困難に

このホッキョクグマをとらえた動画が最近ネットで拡散されました。 ロシアのWWF(世界自然保護基金)で働くセルゲイさんがフェイスブックに投稿したものです。 ご覧の通り、ホッキョクグマの毛に何か模様のようなものが見えます。 「T-34」と書いてあるよう…

ロバの生息数 5年後には半分になる可能性 皮革が中国の生薬製造のために需要増大

ロバやラバの保護活動を行っている団体「Donkey Sanctuary」が2019年11月、世界中でロバの生息数が大きく減少しているというレポートを発表しました。 具体的には、2007年と比べてブラジルで28%、ボツワナで37%、キルギスタンで53%も減少しています。また…

英エリザベス女王 今後作られる服はフェイクファー(人工毛皮)を使用 毛皮禁止へ新たな一歩

イギリス女王エリザベス2世が暮らすバッキンガム宮殿は「今後新しい服が女王陛下のためにデザインされる場合、使われる毛皮はフェイクファー(人工毛皮)になります」と発表しました。 プライベートで着用する衣類だけでなく、公式なセレモニーに出席する際…

犬のようで犬ではない「ディンゴ」ってどんな動物?

先日、この「ディンゴ」という動物がオーストラリアの民家の裏庭で発見され、一部で話題になりました。 見た目は犬だけれど、実は絶滅の危機に瀕している動物。 pic.twitter.com/XhkteQtxEw — ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) November 7, 2019 私も初めて…

イギリスで40年ぶりにカモメの駆除が計画される 人による餌付けがそもそもの原因

2019年になって、イギリスでは人や動物がカモメに襲われるという事例が相次いで報道されました。 「凶暴化するカモメ 海水浴客を襲う」 (Angry seagulls dive-bombing beachgoers | Daily Mail Online) 「カモメが犬を殺害 その2週間後には赤ちゃんを襲う…

アメリカで動物虐待を刑法上の犯罪行為とする法案が下院を通過 超党派の議員で法案提出

アメリカ合衆国で、動物虐待を犯罪行為として扱う法律「Preventing Animal Cruelty and Torture Act」(動物への残虐・虐待行為を禁ずる法律、通称「PACT」)が全会一致で下院を通過しました。 今後上院を通過し可決・施行されれば、火傷させる、溺れさせる…

ネパールに暮らすトラの生息数が10年で約2倍 それでも絶滅の危機は続く

ネパールに生息する野生のトラについて、生息数が増加したという明るいニュースがありました。 2008年にはわずか121頭だった生息数が2018年には235頭へと2倍近く増加していることが判明したのです。 これは保護活動のたまものであることは間違いないのですが…

今度はシマウマ 絶滅危機種を犠牲にして続けられるトロフィーハンティング

主にアメリカやヨーロッパのハンターたちがアフリカに行き、現地に暮らす野生動物たちをライフルで撃ち殺す「トロフィーハンティング」は、現在では世界各国に知られるようになり、多くの人たちが批判しています。 とくに2015年7月、ジンバブエでライオンの…

アマゾン大火災 ジャガー500頭が「生息地を失う」か「死亡」 今後増える可能性も

現在でも延焼が続いているアマゾンの森林火災ですが、この害を被っているジャガーの頭数が500頭に上るという推計が出されました。 ネコ科の野生動物の保護を行っている団体「Panthera」が発表したもので、当初の推計はブラジルだけで100頭のジャガーが被害に…

スイス ニワトリのヒナを「シュレッダーで間引き」が禁止される 殺処分全廃への第一歩

ニワトリのオスのヒナは、食用玉子を出荷している酪農業者にとっては「育てても役に立たない」ため、これまで残虐な殺害方法で間引きされてきました。 しかし今回、この方法がスイスで正式に禁止されることになりました。 これはほかのヨーロッパ諸国と比べ…

ゾウは「過去の経験を記憶して、そこから将来の危険を察知する」ことができる動物

このゾウは2006年、まだ生後5か月のとき、ケニヤのシェルドリック野生動物基金という団体に保護され、野生に帰ることが出来るようになるまで施設の中で人の手によって育てられてました。 // 数年が過ぎ、野生に戻るころになると、ゾウは自分を育ててくれた人…

ハリケーン「ドリアン」の甚大な被害の中でも動物たちを忘れなかった人たち

「CNN.jp」のウェブサイトに、ハリケーン「ドリアン」に直撃されたバハマで、フィリップスさんという女性が97頭の犬を自宅に引き取り保護した、という記事が載っています(9月5日付)。 www.cnn.co.jp このニュースが広まると、フィリップスさんのもとには25…

アメリカが哺乳動物を使った化学物質実験の廃止へ 動物実験廃止に向けた大きな動き

(https://www.youtube.com/watch?v=OFDcQboWIdE) アメリカの環境保護庁は、動物実験での有害化学物質の使用を徐々に減らしていくという方針を示しました。 これは、動物実験のうち哺乳動物が対象とされる研究の数を: 2025年までに30パーセント減らす。 20…

「動物との自撮り」はどんな場合に問題になるのか?

野生動物たちの生命を脅かすものとして「気候変動」や「生息地の減少」などが指摘されていますが、もう一つ、人間が引き起こしてしまう問題として「動物との自撮り」というものがあります。 このブログでも2017年、2018年とこの問題を取り上げたことがありま…

イギリス労働党の「動物福祉マニフェスト」 伝統を恐れず切り込んでいくその画期的な内容

イギリスの野党第一党の労働党は新たに「動物福祉マニフェスト」(Animal Welfare Manifesto)を作成・発表しました。 イギリスはこれまでも動物福祉について世界的にリードしてきた国ですが、その政策をさらに大きく前進させるアイデアが込められています。…

大規模な森林火災の続くアマゾン熱帯雨林にはどんな絶滅危惧種が暮らしているのか

アマゾンの熱帯雨林で大規模な火災が続いており、少なくとも海外では連日ニュースで報じられています。 8月24日現在では死者が出たという報道はないようですが、今でも鎮火のめどが立たない状況が続いています。 アマゾン流域の熱帯雨林には、数多くの動物た…

スリランカのお祭りに駆り出された70歳のやせ細ったゾウ アジア諸国で今でも続く虐待行為

「エサラ・ペラヘラ祭」はスリランカで毎年7月に行われるお祭りです。今年は7月7日から17日にわたって開催されました。 一説によるとその起源は紀元前3世紀にまでさかのぼると言われており、スリランカの人々にとってはとても重要な祭典のようです。 このお…

アメリカ政府「害獣」駆除のために毒入りのワナの使用を再開

トランプ政権になってから、その前のオバマ政権とは逆の方針で物事が進められていることが多くありますが、それは「人 vs. 動物」の場合も同じです。 今回、アメリカ政府は「害獣」対策のために、毒入りのワナを使うことを全面的に解禁しました。 コヨーテ、…

親を奪われた子供オランウータンの森林復帰訓練を行う「オランウータン学校」

オランウータンの生息数は過去20年ほどの間に大きく減少しています。 とくにマレーシア東部の低地で暮らすオランウータン生息数は、2002年から2017年の間に30%も減っているのです。 【お母さんを奪われた子供たち】 たとえばボルネオオランウータンの場合、…

動物愛護・環境保護に前向きではないボリス・ジョンソン新首相の誕生

2019年7月23日にイギリスの与党・保守党党首がテレーザ・メイ氏からボリス・ジョンソン氏に代わり、翌24日にジョンソン新首相が誕生しました。 最大の関心事はイギリスのEU離脱ですが、このジョンソン氏はあまり動物愛護や環境保護に熱心ではない人としても…

カナダでイルカなどの海洋動物を娯楽目的で捕獲・飼育することが禁止に

2019年6月、カナダの国会ではクジラやイルカの飼育を禁止する法律が採択されることになりました。 この法律はエンタテインメント目的で海洋哺乳動物を生息地から引き離し、輸入したり飼育したりすることを禁ずるものです。 違反者には多額の罰金が科せられま…

警察犬を守る法律「フィンズ・ロー」 英国北アイルランドではいまだ導入されず

こちらは警察犬のマックスです。 イギリスの北アイルランドで、行方不明者の捜索で活躍しています。 マックスは4歳のラブラドール犬で、「臭気選別」能力の高度な訓練を受けています。最近では凍えるような寒さの中で2日間にわたって行方不明になっていた女…

干ばつに苦しむナミビア共和国 野生動物保護のために野生動物1,000頭を売却?

アフリカ大陸の南西部にあるナミビア共和国は今年、大規模な干ばつに襲われています。 この干ばつに対処するため、ナミビア政府は約1,000頭にも及ぶ野生動物の「販売」を許可しました。 対象となる野生動物の中にはゾウやキリンなどの絶滅危惧種も含まれてい…

カカポ(フクロウオウム) 疫病に襲われる絶滅危惧種とニュージーランドの保護活動

ニュージーランドに生息する「フクロウオウム」は「カカポ(kākāpō)」とも呼ばれ、羽はありますが飛ぶことが出来ない鳥です。 オウムの中でも飛ぶことが出来ないのはこのカカポだけです。下の動画をみると、羽を広げながらスキップをするように地上を走って…

「ハリネズミ注意!」の交通標識がイギリスで導入へ

このたび、イギリスでこちらの交通標識が導入されることになりました。 赤い三角形の中に描かれているのはハリネズミです。 イギリスではハリネズミが自動車道路を横断してしまい、それを車がはねてしまうという事故が後を絶ちません。 そこでこの新しい交通…

ペットにマイクロチップを装着すべき理由とは?

日本で動物愛護法が改正され、虐待に対する罰則が強化されるとともに、犬や猫にマイクロチップを装着することが義務付けられることになりました。動物愛護の観点からとても歓迎すべき動きであると思います。 その一方で、私たちにとってこの「マイクロチップ…

「ソレノドン」ってどんな動物?恐竜時代から生き延びてきた食虫動物が絶滅の危機

「ソレノドン」という動物を知っている人は果たしてどれくらいいるでしょうか? 名前を聞いだだけではどんな動物なのかすら想像できませんが、大きな分類では「トガリネズミ目」に属する哺乳動物です。 大きさはウサギくらいで、現在は南米のキューバとイス…