読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゾウ、サイ、ライオン・・・ 2016年「ワシントン条約締約国会議」で議論された絶滅危惧種たち

ゾウ サイ ライオン その他

f:id:georgekato:20161008153911j:plain

 

9月24日から10月5日まで、南アフリカヨハネスブルクで「ワシントン条約締約国会議」が開催され、絶滅の危機に瀕している動物たちについて新たな対策が採択されました。

 

議論された動物の一つは前回このブログでもご紹介した「センザンコウ」で、今回の会議で最高レベルの保護対象とすることに決定しました。

 

animallover.hatenablog.com

 

また、以下に挙げたその他の動物たちも議論の対象とされました。

 

センザンコウに比べると馴染みのある動物ばかりに感じますが、その実態はこのままでは絶滅してしまいかねない動物たちばかりなのです。

 

 

ヨウム

f:id:georgekato:20161008160524j:plain

ヨウム」はオウムではなく、アフリカに生息するインコの一種です。

今回の会議で野生のヨウムの国際取引が全面禁止になりました。

知能が高いことでも知られており、ある調査では4歳児と同等の論理的思考能力があるという結果が出ています。

世界中でペットとして人気があるヨウムですが、野生のヨウムの原生地はアフリカ中部から西部にわたる地域です。

これらの地域で大量に捕獲され続け、その結果生息数は激減。

ガーナではヨウムの90%以上がすでに野生からいなくなってしまったといわれています。

今回の会議でヨウムは附議書Ⅰ(最高レベルの保護)へ含まれることに決定しました。

 

 

【サイ】

イギリスの新聞「ガーディアン」が最近行った調査によると、サイの角をケニヤや南アフリカからアジア諸国に売り飛ばしている国際犯罪組織が存在することがわかりました。

アジアの国々では、漢方薬目的でサイの角を輸入しています。

漢方の世界ではサイの角には妊娠を促進する効果があると信じられているようですが、これは単なる迷信に過ぎず、科学的根拠はないことがわかっています。

なお今回の会議でアフリカ南部の国スワジランドは、サイの保護活動に必要な資金を得るため330キロのサイの角を売りたい、という提案をしましたが、棄却されました。

 

 

【ライオン】

アフリカライオンの保護については、今回の会議では必要な対策の決定には至らず、参加者たちを失望させたと報道されています。

檻の中で飼育されたライオンたちは殺害され、その骨を漢方薬として売買している市場がアジアに存在する、と報告されています。

野生のライオンについては、その死体を取引することはすでに禁止されています。

しかし飼育されたライオンの取引については、禁止に向けた議論がなされたにもかかわらず、今回は合意には至らなかったということです。

 

 

【サメおよびエイ】

f:id:georgekato:20161008155155j:plain

サメやエイの生息数激減は、食用として乱獲されてきたのが原因です。

サメについては毎年1億匹が捕獲されているといわれており、年間で10億ドルの市場を成り立たせているという報道もあります。

サメやエイは比較的大型の肉食動物で、海の生態系に大きな役割を果たしています。

その生息数の減少は、当然のことながら海の環境すべてに影響を与えることになるのです。

今回、9種類のエイ、3種類のオナガザメ、そしてクロトガリザメの合計13種について、国際取引が規制されることになりました。

 

 

【ゾウ(象牙市場)】

ゾウは今回の会議で最も熱心に議論された対象のひとつでした。

9月にハワイで行われた国際自然保護連合の会議でも、象牙の国際取引だけでなく各国の国内市場の禁止を目指した議論が行われたばかりでした。

 

アフリカ南部の国々のなかには、ゾウの生息数は安定しており、現在では回復し始めていると主張しているところもあるようです。

これらの国々は、野生動物保護の資金源確保のため象牙取引の再開を求めています。

野生動物そのものを国の財源にしない限り野生動物保護政策は継続できない、というのが彼らの主張なのです。

 

しかし保護を訴える人たちは、世界のゾウの生息数を激減させている違法取引の本格的な取り締りは、(現在合法とされているものを含めた)取引の全面禁止によって初めて可能になるのだ、と主張しています。

 

結局、象牙の国内市場の全面閉鎖という案が決議されました。

たとえ合法で行われていたとしても、象牙が売買されている市場の存在自体が違法取引や密猟の温床となってしまっている、という意見が支持されたものです。

 

世界最大の象牙マーケットである中国は、国内市場の閉鎖を発表する予定になっています。

この国の積極的な貢献は象牙取引を世界的レベルで食い止める決定的な一歩になる、と国際的に高く評価されています。

 

一方日本は、国内市場が管理されている限り違法取引はありえないとし、国内市場の閉鎖は必要ないと主張しています。

そこまでして私たちは象牙の印鑑を使う必要があるのか、これを機会にあらためて考えるべきだと思います。

 

   

 

(参考)

The seven big decisions made at the Cites global wildlife summit | Environment | The Guardian

Sharks and rays win new protections at global wildlife summit | Environment | The Guardian

Call to close ivory markets agreed at Cites conference - BBC News