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罠(わな)を壊すルワンダのマウンテンゴリラ 過去の経験から学んだ自発的行動?

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アフリカのルワンダの森林には、野生動物を捕えてその肉を食肉として売ることを目的に、密猟者たちが多くの罠(わな)を仕掛けています。

 

彼らはアンテロープなどを捕えようとしているのですが、この森林に住むゴリラもまた罠にかかって動けなくなり、なかには死んでしまうものがいるのです。

 

 

【罠のしくみ】

この罠は、輪を竹藪の竹に結び付け、その竹を地面に向けて曲げ倒し、棒か岩を使って地面に押さえつけておくものです。

 

その曲げられた竹は枯葉や枝などで隠しておきます。

 

動物が近づき、そこにわながあるとは知らずにおいてある棒や岩をどけてしまうと、曲がって押さえつけられていた竹は跳ね返り、それに結び付けてある輪は一気に引きあげられます。

 

そしてその輪が動物の脚や首に巻きつき、動物は動けなくなる、という仕組みです。

 

密猟者たちはこの罠に掛かった動物を捕まえ、売りさばくのです。

 

 

【若いゴリラたちも罠にかかる場合あり】

成獣のゴリラであれば体が十分に大きく力も強いため、この程度の輪は自分で引きちぎってしまうことも出来ると考えられます。

 

しかし若くまだ体が出来上がっていないゴリラの場合は、他の動物と同じく罠に捕まったまま動けなくなってしまうようです。

 

また何とか輪から抜け出すことができたとしても、大きなケガを負ってしまうこともあり、そのケガがもとで命を落とすことになるゴリラもいるのです。

 

この地域に住むゴリラはいわゆる「マウンテンゴリラ」と呼ばれる種であり、絶滅危惧種です。

 

まだ若く、これから繁殖に貢献するはずの若いゴリラが、密猟者たちの置いた罠のせいで命を落とすなどということは、憂慮されるべきことなのです。

 

 

【罠を壊すゴリラたちを発見】

これに対処するため、現地の人たちは密猟者が置いて行った罠を見つけ出し取り壊す作業を続けていました。

 

ある日、現地の人たちがいつも通り罠を探すため、森に向かったときのことです。

 

ある場所に近づくと、そこにはボスゴリラがすでにいました。

 

その場所は、数日前に若いゴリラが罠にかかって死んでしまった場所だったのです。

 

ボスゴリラはそこに来た人たちに向かって、近づかないようにと威嚇しました。

 

続いて、まだ4歳くらいの若いオスとメスが現れました。

 

するとオスが竹の枝に飛び乗りそれを折り、メスがそこに取り付けられていた輪を取り除いてしまったのです。

 

さらにその3匹は、その近くにあった別の罠も見つけ出し、その罠も同じやり方で取り除いてしまいました。

 

ゴリラたちが罠を見ても迷ったりすることなく、すぐに壊してしまう様子を目の当たりにした現地の人たちは「ゴリラたちは数日前の若いゴリラの死を記憶し、罠を危険なものとして認識したのだろう」と推測しています。

 

この行動については動物学の専門家たちによる検証は行われていないため、推測の域を出ません。

 

しかし、ゴリラたちがこのような行動を自発的に行っている以上、邪魔をするべきではないと思う、と現地の人は語っています。

 

 

【マウンテンゴリラについて】

マウンテンゴリラは「ヒガシゴリラ」の亜種です。

 

マウンテンゴリラはこのルワンダのほか、コンゴとウガンダの3国にしか生存が確認されていません。

 

2015年9月時点での生息数は900頭に満たないといわれています。

 

※ヒガシゴリラにはもう一種「ヒガシローランドゴリラ」という亜種がいます。 

animallover.hatenablog.com

 

Young gorillas seen dismantling poachers' traps for the first time