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マイペースで可愛らしいナマケモノ 意外と知らないその興味深い習性とは

ナマケモノ

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先日からこの画像はネットで話題になり、日本のニュースでも一部報道されていました。

 

エクアドルの自動車道を渡ろうとしたナマケモノが、道路の横断をあきらめ元の場所に戻り、その場にあったガードレールの柱につかまっている写真です。

この自動車道は最近開通したばかりで、道路が出来る前は人もクルマもいない土地だったところでした。

 

ナマケモノが行き場を失っている様子を発見した人が通報し、地元の警察が駆けつけ、いったん専門の獣医に診てもらってから自然に帰した、ということです。

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【誤解されてきたナマケモノ

今でこそそのマイペースな生活スタイルと愛くるしい顔つきから世界中で愛されているナマケモノですが、以前は「すぐ絶滅する動物」と勝手に決めつけられ、人間たちからバカにされてきた存在でした。

 

ほぼ一日中木にぶら下がっているだけでエサを探している気配もなく、また天敵から身を守ろうともしない(ように見える)ことから、人間の目にはナマケモノは生存能力がない動物であるように映ったのです。

 

しかし、中南米に生息するナマケモノは、現地の熱帯雨林に最適な生活スタイルを持っており、木の陰で一日中過ごすことで天敵に見つけられる可能性を低くできているのです。

(もちろん生態系のルールに従い、ピューマなど木登りの得意な肉食動物の餌食になってしまうことがあります。)

 

またあまり体を動かさず、無駄にエネルギーを消費しなくて済むため、大量のエサを食べる必要もありません。

 

 

【興味深いナマケモノの習性】

あまり体を動かさない理由の一つに、ナマケモノの毛皮のもつ特徴があげられます。

ナマケモノのそのフサフサした毛の中では藻類が生え育つことが分かっており、自分でその藻を舐めとって食べることで、栄養を得ることができるといわれています。

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またこの毛に生息する細菌には、体内のバクテリア寄生虫を殺してくれるものがあることも分かっています。

(ある研究では、この細菌がガン細胞を殺してくれるという結果も報告されており、人の医療への活用が期待されているようです)。

 

そんなナマケモノも、週に一回だけいつも生活している木から降りてくる時があります。

それはフンをするときです。

なぜ安全な木の上でフンをしないで、天敵から襲われやすい地面に降りてくるのか、いまだにその理由は分かっていないようです。

 

木の枝にぶら下がり、基本的には顔が上に向いた状態で多くの時間を過ごすナマケモノですが、中でも「ミユビナマケモノ」と呼ばれる種類は首の骨が9個に分かれており、首を270度にわたって回転できることが分かっています。

そのおかげで、自分の真後ろ(木にぶら下がった状態では真下)も首を回すだけで見ることができるわけです。

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その生涯の9割の時間を木にぶら下がり、背中を下に向けて過ごしますが、最近発表された発見により、ナマケモノの体内には特殊な繊維性のシステムが働いており、引力に引っ張られても内臓の位置がずれないようになっていることが分かりました。

もしこの機能を持っていない動物が一日中ナマケモノと同じ体勢で過ごしたら、腸や胃の位置がずれてしまい、肺を圧迫してしまう危険性があると考えられています。

 

木の上でものんびりし、地面の上ではなおさら遅いスピードでしか動くことができないナマケモノですが、意外なことに泳ぎがとても得意です。

木の上での移動よりも3倍のスピードで泳ぐことができるといわれています。

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地上では這うように移動するため、1分間に2メートルほどしか進めません。

しかし遅いのは体の動きだけではないのです。

体内で食べ物を消化するのにもとても時間がかかり、一枚の葉を消化するのに最長30日かかるといわれています。

 

またナマケモノは1本の木から何枚もの葉を食べないという習性もあります。

これは誤って毒性のある葉っぱを食べてしまうことを避けるためであると考えられており、今いる木の枝から葉を数枚食べると、別の木に移って別の種類の葉を食べる、という食生活をしています。

 

 

ナマケモノにも絶滅危惧種あり】

ナマケモノには以下の6種類が確認されています。

 

 

冒頭のエクアドルの自動車道で発見されたのは「ホフマンナマケモノ」と見られます。

 

ナマケモノもまた、残念ながら絶滅の危機と無関係ではありません。

 

これら6種類のうち「ピグミーミユビナマケモノ」と「タテガミナマケモノ」は絶滅危惧種に指定されていることも知っておきたいところです。

 

(参照)

Terrified sloth clings to pole after he gets stuck crossing road

11 little-known sloth facts