ホッキョクグマ 非情ないたずらにより大怪我を負う 生存は絶望的か

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ロシアの北極地域で建設中の軍事基地で働いている専属調理師が、野生のホッキョクグマに爆発物を混ぜたエサを食べさせ、ホッキョクグマが大怪我を負う、という事件がありました。

 

血だらけになったホッキョクグマが身もだえする様子を捉えた動画がネットに出回り、問題となっています。

 

※これはショッキングなニュースをネタにすることが目的ではなく、罪のない動物に対して心無い行いをする愚かな人間へ強い憤りを感じるため、この事件を取り上げるものです。

 

 

 

この動画は「RusAliance」と呼ばれる会社の従業員が撮影したものです。

 

現在この会社はロシアの新しい軍事基地を建設している最中ですが、 この建設現場で働いている人たちはホッキョクグマに襲われる可能性もあるため、万が一自分たちの命に危険がある場合には、ライフルなどで撃ち殺すことも許可されています。

 

しかし今回のホッキョクグマの場合は、調理師を含めた従業員たちがエサを使っておびき寄せたのです。

 

このホッキョクグマはメスで、ゴミ箱をあさりによくこの近くにやって来ていました。

 

ときには人がエサを与えることもあったのです。

 

そのため、ホッキョクグマは建設現場の人を信用しきっており、ときには生育中の子供を連れて親子で訪れることもあったといいます。

(この事件の際には、子グマはいなかったと見られています)

 

この動画を録画した人の証言によると、この調理師はふざけて爆竹のような爆発物をエサの中に紛れ込ませホッキョクグマに与えた、ということです。

 

   

 

そしてこのお母さんクマは、いつもどおり与えられたエサを食べてしまいました。

 

痛みを訴えるかのようにその場をぐるぐると回り続け、そのもがき苦しむ様子は30分間にも及んだ、と述べています。

 

動物の専門家たちによると、この動画は不鮮明なため分かることは限られているが、ケガを負ったホッキョクグマが生存できる可能性はほとんどないだろう、ということです。

 

一部では、このホッキョクグマの苦しむ姿を見かねた人が、楽にしてあげるために撃ち殺した、という情報もありますが、確認されていません。

 

ロシアでもホッキョクグマ絶滅危惧種に指定されていますので、調理師が有罪になり刑務所に収監される可能性も十分にあります。

 

ロシアの自然保護担当大臣は、ロシア検察に対して、この調理師を処罰するよう要請した、と報道されています。

 

Polar bear writhes in agony with blood pouring from her snout after she is fed an EXPLOSIVE hidden in food at Russian military base

 

 

【生存率の低い子供のホッキョクグマ

ロシアでは、旧ソビエト時代の1956年にホッキョクグマの狩猟を禁止しています。

 

しかし密漁が絶えず、ロシア国内の生存個体数は減る一方です。

 

近年では地球の温暖化により北極圏の面積そのものが狭くなっているため、今まで出現しなかった人里にまで現れることが多くなり、現地住人にとって新たな問題となっています。

 

ホッキョクグマは通常2匹の赤ちゃんを産みますが、生後数ヶ月時点での生存率は50%、つまり2匹のうち1匹は赤ちゃんのまま死んでしまうことが多いといわれています。

 

その生き残った50%についても、1年後に1歳の誕生日を迎えるまで生き延びることが出来るのはさらにその半数のみ、という調査結果もあるようです。

 

今回、大怪我を負ったホッキョクグマが育てていた子供には、ぜひ元気に育って欲しいと願うばかりです。

 

Watch a Newborn Polar Bear Cub Get Some TLC