段ボール箱で捨てられたオランウータンの赤ちゃん 救助され一命をとりとめる

 

赤ちゃんオランウータンが段ボール箱に入れられ、直射日光の下に捨てられていた、という出来事がありました。

 

現在、動物保護団体の尽力により、一命を取り留め、手当てを受けているところです。

 

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【「ミイラのように見えた」状態で見つかる】

ジトーと名づけられたこの赤ちゃんオランウータンは、東南アジアボルネオ島でペットとして飼われていたものだと思われます。

 

生後間もないときに、人間によってお母さんオランウータンから奪い取られ、売りさばかれ、さらにそのお母さんは後で殺害されたと見られています。

 

ジトーは生後5ヶ月未満と思われますが、生まれてから半年にも満たない間に多くの悲劇に見舞われてきたのです。

 

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保護した人たちによると、救出時ジトーは生命力がない状態だったため、すでに死んでいると思った、ということです。

 

死体のように胸の上で腕を組み、毛は抜け落ち、肌は灰色になって荒れていました。

 

まるで段ボール箱の棺おけに入れられたミイラのように見えた、と語っています。

 

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ジトーは脱水症状と栄養失調を併発し、皮膚病にもかかっていました。

 

しかし、オランウータン保護施設までの9時間にわたる移動時間を生き抜き、施設到着後、大至急治療が開始されました。

 

現在、昼夜を徹した体制で治療を受けています。

 

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オランウータンをめぐる東南アジアの問題】

この動物保護団体は、ほかにもジトーのように救助の必要なオランウータンがたくさんいる、と指摘しています。

 

ボルネオ島オランウータン生息数は、過去60年間で半減しています。

 

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保護区は設定されていますが、その外に生息しているオランウータンは今でも減少の危機に瀕しているのです。

 

ジトーが母親からさらわれて売り飛ばされたように、人によって狩猟されるリスクがある一方、パームオイルの植林など農業目的のための森林破壊が進んでいるために、オランウータンの生息地域そのものがどんどん失われているのです。

 

また熱帯雨林で起こる森林火災も、オランウータンの生息状態に同様の結果をもたらしてしまいます。

 

森林火災はとても高い頻度で起こっており、2015年にも大きな森林火災が東南アジアで発生しました。

 

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スマトラ島からボルネオ島にかけた地域では、2015年9月のひと月だけで1万件近くの出火が報告されています。

 

こういった原因から、オランウータンが自然界で生存できなくなる場合が多数出てきているのです。

 

森林が焼失したため、住むところや食べ物がなくなるだけでなく、森林火災から逃げ遅れたせいで火傷を負ったため、生死をさまよっている状態で見つかる場合もあるようです。

 

とにかく今は、ジトーが完治して元気になることを願うばかりです。

 

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