ゾウの種類についてもう少し詳しく知りたい
ゾウには2種類いることはよく知られています。アジアゾウ(インドゾウ)とアフリカゾウです。
この2種類の違いについて、少し詳しく見ていきましょう。
【大きさ】
どちらのゾウも大きい動物ですが、アフリカゾウのオスはアジアゾウのオスに比べると格段に大きくなります。
アフリカゾウのオスは大人になると6,800kgにもなりますが、アジアゾウのオスは4,500kgを超えることはめったにありません。
【耳、鼻、足】
大きさ以外にも、この2種類を区別する簡単な方法があります。
アジアゾウの耳は、アフリカゾウに比べると小さいのが特徴です。
ゾウが長い鼻の先で上手に物をつかむことはよく知られていますが、その先端部分にも違いがあります。アジアゾウの鼻の先端には突き出た部分が1つだけですが、アフリカゾウには2つあるのです。
また足のつめの数にも違いがあります。アジアゾウの場合、前足には5つのつめ、後ろ足には4つのつめがありますが、アフリカゾウの場合は前足に4つ、後ろ足に3つのつめがあります。
【21世紀になって特定された新しいアフリカゾウ】
じつは「アフリカゾウ」と言われている種類のゾウには複数の種類がいることが分かっています。
アフリカ・コンゴの森林に住むゾウは、同じアフリカでも低木の茂みに住むゾウに比べて体も小さく、肌の色も濃いという違いがあります。また耳の形がより丸みを帯びている、という特徴もあります。
またアフリカゾウにもかかわらず、前足に5つ、後ろ足に4つのつめがあることも判明しました。
2000年、これら森林に住むゾウたちは、アフリカの低木の茂みに生息している「サバンナゾウ」とは異なる種類である、という説が出されました。
そしてこの森林に住むゾウを「シンリンゾウ」と名づけることにしました。
2010年に発表された研究によると、サバンナゾウとシンリンゾウは、祖先は一緒ではあるものの、200万年~700万年前に別々の種類に分かれた、と考えられています。
【減少するゾウの生息数】
アフリカ大陸に住むゾウの3分の1がこのシンリンゾウです。
しかしこのシンリンゾウたちは、ゾウにとって世界で最も危険な場所で暮らしているのです。
「コンゴ盆地」と呼ばれる場所ですが、ここでは準軍事組織などによって象牙の密猟が行われています。
2002~2011年の間、シンリンゾウの生息数は密猟により62%も減少したことが分かっており、その後もこの問題は続いている状況です。
なお、アジアゾウは2013年時点、全世界で32,000頭にまで減少しています。
またアフリカのサバンナゾウも急激に減少しており、その80%はタンザニアのセルース猟獣保護区のような場所で死んでいるという実態があります。