心無い殺害の対象になった「ライオンのセシル」について

 

 

2015年7月1日、アフリカのジンバブエにある国立公園で、ライオンの「セシル」が殺害されました。

 

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【みんなに愛されたライオンのセシル】

セシルはこの公園で最も有名なライオンで、観光客の注目の的でした。

年齢は13歳で、訪れる観光客に対して親しげな様子を見せるため非常に人気がありました。

大きな黒いたてがみを持ち、美しい顔立ちをした特徴のある存在だったのです。

二つの群れの主であり、6匹の雌のライオンと12匹の子ライオンを引き連れていました。

 

【セシルを殺害した人物とは?】

7月1日、アメリカの歯科医師ウォルター・パーマー氏がセシルを打ち殺しました。

 

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氏が発表したコメントでは、以下のように語っています。

 

「私はこの狩猟のために代金を支払っているし、自分が撃ったライオンがどういうライオンなのかは知らなかった」

「セシルを撃ってしまったことは後悔しているが、私はあの狩猟は合法だと思ってやった」

「専門のガイドにしたがって行ったことで、許可もとっている」

 

パーマー氏についていたガイド(2名)はジンバブエで逮捕されており、8月に裁判が行われる予定です。

セシルが殺害された公園はジンバブエ最大の禁猟区に指定されていたため、「非合法な狩猟を止めさせなかった」罪に問われているのです。

 

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【パーマー氏の過去】

このパーマー氏が動物を殺害したのは、実はこれが初めてではなく、2006年にウィスコンシン州でクマを殺した罪に問われた過去がありました。

狩猟が許可されていない地域でクマを銃殺したのち、その死骸を別の場所に運び出し、ほかの場所で殺害されたかのように見せかけたのです。

この罪で、1年間の保護観察期間を言い渡され、3,000ドルの罰金も科されていました。

 

【殺害されたセシル】

セシルの死骸はすぐには発見されず、数日後に見つかりました。

セシルは皮をはがれ、首を切断された状態で見つかったと言われています。

イギリスのオックスフォード大学がこのセシルをライオン保護のための観察対象に指定していたため、セシルの首にはGPS装置が取り付けられており、その行動を把握することが出来ました。

しかしその装置は、パーマー氏らによって壊されかけた形跡があったのです。

 

セシルは今まで人を襲ったことは一度もありませんでした。

 

【今後の展開】

パーマー氏はすでにアメリカに帰国していると見られていますが、彼もまた罪に問われることは間違いないと考えられています。

現在パーマー氏の正確な居場所は分かっていません。

パーマー氏の勤める歯科医院は一時閉鎖されていますが、抗議活動がこの前で行われることになっています。

また氏のSNSも閉鎖されているようです。

 

今回、パーマー氏は5万ドルを支払ってジンバブエで狩猟をおこなったとみられています。

パーマー氏が取得したと主張している「狩猟許可」というのは実際に存在するもので、ジンバブエ政府が発行するものです。

今回の事件を受けて、世界各国でこの許可の廃止をジンバブエ政府に求める声が上がっています。

 

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Cecil the lion: Zimbabwe hunter bailed over killing - BBC News